こんにちは

博物館明治村にある写真館の記事ですが、画家のアトリエのとの共通点を感じたので記事にします。
明治村の5丁目に高田小熊写真館という建物があります。
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明治41年に新潟県高田(現:上越市)に建てられた写真館です。
菱形に葺かれた赤い屋根がおしゃれです
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パネルの説明によると、ガラス屋根部分は「スラント」と言って、人工照明のなかった当時、外光で撮影する必要があり、北側をガラス屋根にして均一な光を取り入れたとのことです。コンパスで確認すると移築された今の方角は、北東でした。

中に入ると、1階部分は応接室や暗室、住居スペースがあり、2階がスタジオになっています。
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ガラス屋根の内側には光を調節するための白黒の幕が張られていました。
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こうした、ガラス屋根や白黒の幕での調光はもともと、西洋の画家のアトリエの作りを写真館に応用したとも言われているそうです。その西洋の写真スタジオの幕の取り付け方を簡素に、操作しやすいように工夫して設置されているそうです。

実際にこの場にいて、天井が高くやわらかな光が入ってくる空間は心地よくて、こんな場所でデッサンしたら気持ち良さそうだな〜と感じました。

実際北側の窓で、デッサンしていて思うことですが、いくら北側の窓が均一な光といっても外光ですので季節、時間、天気によって光の量はかなり左右されます。光の量が重要な写真撮影なら、なおさら幕は必要だっただろうなと思いました。

また、このスタジオを見て思い出した本がありました。「油彩画の技術」という古い本ですが、古い技法書の参考文献に載っていることが何度かあって買ってみた本です。そのアトリエに関する記述の中に、、

光源の位置
 アトリエの天井にはめたガラス窓から入る照明を、「星の」照明、あるいは「坑内」照明とよんでいる。
壁に縦にうがった窓からくる照明を、「水平」照明ないし「普通」照明とよぶ。
 「星の照明」は、戸外の照明にもっとも忠実に対応するものである(光源が充分な面積をもつ場合)。
引用「油彩画の技術 グザヴィエ・ド・ラングレ(著)黒江光彦(訳)(株)美術出版社 1973年」

とありました。昨年見た小磯記念美術館のアトリエや向井潤吉アトリエ館のアトリエはここで言う「水平」照明でした。今回のように傾斜のついた「星の」照明は初めて体験しました。窓の大きさも違うので何とも言えませんが、傾斜がついている窓の方が部屋の奥まで光が届きやすく、部屋全体の明るさも明るいなと思いました。

どちらがいいとかはわかりませんが、絵を描くにはあまりに均一すぎるより、部屋の窓際と奥でちょっと濃淡があった方がいいんじゃないかと思います。


明治のことが知りたいと思って行った明治村でしたが、思わぬところで画家のアトリエにつながる建物を体感することが出来てとても有意義でした。



こんにちは

久しぶりにこのテーマで書きます。

先日、愛知県犬山市にある博物館明治村へ行ってきました。
というのも、2015年に鑑賞した名古屋ボストン美術館の「ダブル・インパクト 明治ニッポンの美」の図録がやっぱり欲しくなり、最近購入ました。じっくり読むうちに明治時代への興味が増してきて、行ってみました。

様々な建築物もよかったのですが、この記事ではちょうど開催されていた「特別展 新しき道〜はじめの一歩は宮廷文化から〜」の感想を書きたいと思います。

明治村は1丁目から5丁目までにエリアが分かれており、展覧会は2丁目の千早赤阪小学校講堂で6月24日まで開催されています。
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のぼりにあるように、今年は明治でいうと150年になるんですね。ロゴも明治村のものではなく、明治150年という政府記念事業のロゴで、各地でイベントをやってるそうです。
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展示物は1階のみで、そんなに多くはありませんがとても興味深かったです。

明治天皇の事績の絵画の印刷パネルが数点ありました。そういえば、油絵で描かれた日本の歴史画ってほとんど見たことなかったなと、パネルとはいえ新鮮な気持ちになりました。油絵でリアルに描写された絵を見ていると、その場の様子が本当にあったように感じました。

リアルな油絵のパネルが続いたあとに、一枚日本画のパネルがありました。「富岡製糸場行啓」という絵です。それを見た時に、あれ?さっきの油絵と同じ時代を描いたものだよね。。。それに描かれている昭憲皇太后はお写真見たことある。。。同じ人物や時代でも日本画で描くとこういう表現になるんだ、日本画って面白いな〜と、また新鮮な気持ちになりました。昭憲皇太后、英照皇太后の周りがふわっとぼかされていて、人物が際立っていたり、それが、製糸場内の蒸気で段々ぼけていく工女の表現と繋がっていて、油絵とは違うけれど、当時の情景が伝わってきてリアルに感じました。

こんな感想をもってふと「ダブル・インパクト 明治ニッポンの美」では、錦絵に描かれた明治天皇、昭憲皇太后を見ていたんだと思い出しました。同じ人物が、油絵、日本画、錦絵、写真と様々な手法で表現されているのはめずらしいし、この時代ならではなのかなと思いました。表現によって受ける印象が全然違い、時代まで違うように感じてしまったところが面白かったです。

ところで、なんで展覧会なのにパネルばかりなんだろう、そして油絵の作者が知りたいと、後で検索してみました。パネルの絵は聖徳記念絵画館におさめられている壁画でした。聖徳記念絵画館には日本画40点、油絵40点の計80点の明治天皇の生涯を題材とした絵画が展示されているそうです。図書館にオフィシャルガイドがあったので借りてきました。



小ぶりで、絵の作者はもちろん、皇室用語の説明があったり、絵のタイトルにふりがながあったり、スタッフの好きな絵をおすすめするページがあったりと、かなり読みやすそうです。このガイドブックを持参すると施設維持協力金500円が不要になるそうです


最後に、明治村5丁目の帝国ホテル中央玄関に大きなテーブルが展示されていました。その横にあった説明のパネルです。
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この絵も聖徳記念絵画館の壁画のひとつで、テーブルはポーツマス条約の調印に使われたテーブルとのことで、絵に描かれています。描かれているモチーフの実物を見ることができて、大きさやデザインの重厚な感じを知ることが出来ました。実際の壁画は3mもあるそうなので、絵の方も本物を見てみたいです



こんにちは

先日、『レオナルド・ダ・ヴィンチと「アンギアーリの戦い」展』に行ってきました。
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昨年末に「レオナルド×ミケランジェロ展」を見た事もあり、自分の中で関心が高まっていました。今回はレオナルドとミケランジェロの壁画対決についてより詳しく知ることが出来るのかなと期待していました。

実際に見てみると、壁画対決の場面の詳しい紹介もありましたが、二人の関係性や考え方の違いというよりも、二人の作品がどのように後世に受け継がれていったか、ということに重点が置かれていました。

今回は、解説があった方が鑑賞しやすいと思い、音声ガイドを使いました。図録も購入して、いつもよりしっかり読んでみました。
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ほんとに買ってよかったです。「アンギアーリの戦い」と「カッシナの戦い」の2作品の、どこがどのように取り入れられているかが詳細に解説されていました。

気になったのは、、、
思った以上にポーズなどそのまま取り入れていた点です。ダイレクトに自分の作品に取りこんでいるという感じがしました。

そうやって取り入れられていくことは、絵画に基づく複製版画などを通じて、積極的に行われていたことに驚きました。画家自身が複製版画を依頼することもあったそうで、スタイルが広まることは肯定的に捉えられていたんだなと知りました。

レオナルドが残した「絵画論」がフランスの王立彫刻アカデミーの院長シャルル・ル・ルブランへ与えた影響も記されています。この辺りもとても興味深く、単独で認識していたレオナルドの存在が、絵画の歴史の一部として、その影響の大きさとともに感じることが出来て、とても有意義でした。

レオナルド・ダ・ヴィンチ 絵画の書
レオナルド ダ・ヴィンチ
岩波書店
2014-02-27





こんにちは

半年前、アカリナを使って実験したときに検証できなかった事は、ブラインドのラインの影が出ないかという点についてです。理由は、夏で太陽の高度が高く、庇もあるため、南の窓でも間接的な光になっていたからでした。間接的な光が入る状況では、アカリナの有無は関係なく、影の形はこんな感じになります。
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今は冬で、直射日光が窓から入ってくるため、改めてラインが出ないか確かめて、出ないようであれば購入を検討してみようと思っていました。


セッティングはこんな感じ
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天気は、雲がかかったり、太陽が出たり頻繁に繰り返すような状態でした。

【12:00頃 窓正面】雲があるとき
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これは、雲ですでに拡散されているのでアカリナ関係なく、こうなると思います。
で、直後に太陽が出たときは、、、

【12:00頃 窓正面】太陽が出たとき
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思いっきりラインが出てしまいました。。。
↓原因は、羽が閉まり切っていなかったようです。
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何回やっても説明書のように、かちっと閉め切る事が出来ず、諦めてそのまま返送しました。(レンタルしたお店の方には丁寧に疑問に答えていただきました。)

アカリナがあったら、とても快適だろうと夢を膨らませていたのですが、高価ですし、ちょっと実験にも疲れてしまって、、、検討をやめました。

同じ日に、手持ちのA3のトレペをつなげて窓ぎわにかけてみたりもしました。
トレペが薄かったのか、平行な影のラインと拡散された影の混合状態で、何となくいまいちでした。
今回これ以上は深めませんが、方向性としては良いかなと思っています。



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